猫の多頭飼育崩壊その②

◆ 2019年猫の多頭飼育崩壊 Sさんの場合②◆
(3月1日投稿分からの続きです。)

Sさんとアニサポとの約束
「2.持病のあるSさんが今後こんなにたくさんの猫を飼うのは無理なので、譲渡会に猫を出して里親探し」についてですが参加者にお願いしている下記の事柄があります。

1. エイズ・白血病の検査
2. ノミダニなどの駆除
3. 検便検査(お腹に虫がいる場合、虫がいなくなるまで駆虫)
4. ワクチン接種
5.(成猫は)避妊去勢手術

Sさんのお家の猫さんたちを譲渡会に出すためには1~5を確実に行ってもらわなければなりません。
飼い主さんの意識改革が殺処分ゼロへの近道でもあるし、避妊去勢手術は不幸な動物を増やさないことにも繋がるからです。

Sさんにそのことを伝えると「すぐに病院につれて行って初期検査をします」という話しになりました。
「夕方4時までに行きますから、動物病院に行けるように猫をキャリーバッグに入れて準備しておいてください」と伝えて約束の4時にメンバーがお家に伺いました。
Sさんは2つのキャリーに猫を1匹ずつ入れて待っていてくれました。

メンバーの車で動物病院に向かい、2匹の血液検査とノミダニ駆除、ワクチン接種をしてもらいました。(避妊去勢手術は2匹とも既に終わっていました)
病院の先生に「検便」もお願いすると、「肛門から僅かな便を採取して検査できないこともないが、それでは正確な結果がでないから、それぞれの便だけを持って後日来てください」と言われました。

ふとSさんを見るととても困った様子・・・.
「どうされましたか?」と聞くと「車に乗ってから話します」とだけ言って黙って俯いてしまいました。
そうこうしているとSさんの名前が呼ばれて検査の結果が伝えられました。
「2匹ともエイズも白血病も陰性です」と先生からお墨付きをもらえたので、「よかったですね」と話しかけてみたけど、Sさんはぼんやりするばかり。
会計で清算を済ませ(もちろん支払いはSさん)車に乗ると、堰を切ったかのように
「困りました!便がとれません。猫も自由にさせているし、トイレは複数置いているけど共同だし、僕も働いているのでこの2匹の便の採取ができません。どうしたらいいですか?」と言い始めました。
「Sさんの心配はそれでしたか?すべての猫の不妊手術が終わっていないから、望まぬ妊娠を避けるためにもケージを購入し、ケージで管理されてはいかがですか?ケージにトイレを入れたらSさんのお留守中に便をしても、このケージはこの子の便だと把握できますよね?少しお金は要りますがケージを買いませんか?」と提案するとSさんも、ケージならお世話も楽ですね、そうします」と二つ返事でOKが出た。
「Sさん、ケージ、今から注文しますか?ネット通販なら安くありますよ」というと、これまた即答で「お願いします。猫は16匹いるので、8つ買えば1つのケージに2匹ずつ入れられるから8つ買います」と言って下さり、さっそく8つのケージを注文しました。

「あとはケージが到着するのを待ち、それぞれ2匹ずつケージにいれ管理していきましょう。」という話しをしました。
「ケージが到着するまでの間、今日検査した2匹は初期検査が陰性だったので、他の猫達との接触を避けるため、Sさんのお部屋に置いてもらえませんか?」とお願いすると「わかりました、ケージが届くまでの間、僕の部屋に置いておきますね」と言って下さり、その日はSさん宅を後にしました。

次回に続く。